キラリ
「ほら、これで1,000万。
はーっ!がめつい女って嫌ねぇ。
涼しい顔しちゃってるけど、
本当は旦那を
寝取られて悔しいんでしょ?
アンタには私みたいな
可愛らしさも、
若さもないんだからさ。
娘…カノンちゃんだっけ?
パパを取られちゃって
悔しいでしょぉ?」
私
「いいえ、ちっとも」
カノン
「ううん、ちっとも」
図らずも私と娘の答えは
ハモッてしまった。
私達の反応は、
キラリの予想よりも
遥かに冷淡だったのだろう。
「ねぇ、今どんな気持ちぃ~?」
をしたかったキラリは、
目に見えて戸惑っていた。
それが悔しかったのか、
まだ嫌味攻撃をしかけてくる。
キラリ
「これでツカサさんは
もう自由だし!
アンタは惨めなシングルじゃない。
女手ひとつで子育てなんて、
あ~か~わいそ~w」
弁護士先生が
止めようとしたけれど、
私はそれを遮ってこう言った。
私
「お心遣い痛み入ります。
私達こそ、これでモラハラ満載夫と
別れ、誰に気兼ねなく娘と母子2人で
のびのびと生活ができます。
離婚のきっかけを作ってくださった
ばかりか、こんな大金まで支払って
モラハラ夫を引き取ってくださり、
お礼を申し上げたいくらいです。」