一度も怒った事のない私

結婚してから一度も怒った事のない私が爆発した日【13】

 

キラリ

「ほら、これで1,000万。

はーっ!がめつい女って嫌ねぇ。

 

涼しい顔しちゃってるけど、

本当は旦那を

寝取られて悔しいんでしょ?

 

アンタには私みたいな

可愛らしさも、

若さもないんだからさ。

娘…カノンちゃんだっけ?

パパを取られちゃって

悔しいでしょぉ?」

 

「いいえ、ちっとも」

 

カノン

「ううん、ちっとも」

 

図らずも私と娘の答えは

ハモッてしまった。

 

私達の反応は、

キラリの予想よりも

遥かに冷淡だったのだろう。

 

「ねぇ、今どんな気持ちぃ~?」

をしたかったキラリは、

目に見えて戸惑っていた。

それが悔しかったのか、

まだ嫌味攻撃をしかけてくる。

 

キラリ

「これでツカサさんは

もう自由だし!

アンタは惨めなシングルじゃない。

 

女手ひとつで子育てなんて、

あ~か~わいそ~w」

 

弁護士先生が

止めようとしたけれど、

私はそれを遮ってこう言った。

 

「お心遣い痛み入ります。

 

私達こそ、これでモラハラ満載夫と

別れ、誰に気兼ねなく娘と母子2人で

のびのびと生活ができます。

離婚のきっかけを作ってくださった

ばかりか、こんな大金まで支払って

モラハラ夫を引き取ってくださり、

お礼を申し上げたいくらいです。」