夫は定刻前に事務所に到着。
しかし、キラリが来ない。
弁護士先生が
携帯に電話を掛けても、出ない。
あー、これはバックレたか?
と思っていると、
キャリーケースを
ガラガラと引きながら登場。
全身ブランド物で固めて、
ネイルもバッチリ。
可愛さと若さが永遠に
続くと思っているタイプだな、
と直感した。
ソファに腰掛けるなり、
キラリ
「で?いくら?」
とだけ口にした。
遅刻について謝罪するつもりは
皆無のようだ。
30分以上も遅刻しておいて、
ソファにふんぞり返る姿に
さすがの弁護士先生も
呆れ顔だった。
鼻白む男性陣と対象に
私達母娘は冷静だった。
私
「慰謝料と養育費の合計で
1,000万円ですね。
一括支払いを希望します」
するとキラリは引っ張って来た
キャリーケースをガバッと開けて、
乱雑に札束を取り出し、
テーブルの上に放り投げた。