もちろん、夫にも良い所はある。
娘が赤ちゃんの頃はおしめ替えも
嫌がっていたけど、
幼稚園に上がる前くらいからは
一緒に遊んだり、
今は学校であった話などに
耳をきちんと傾けてもいる。
娘は大人しい性格だけれど、
夫との親子関係は良好だ。
私に対してもヘアスタイルや洋服に
関して口出しすることはないし、
なんなら褒めてくれることも多い。
娯楽やちょっとした
贅沢品程度なら、
無駄遣いと言われることもない。
けれど、やはり日々の家事に
対する小言は確実に
私の精神をすり減らしていた。
だから、この日以降は
夫のちょっとした姑チックな発言は
聞き流すことにした。
夫
「おい、今朝のコーヒー
ちょっとぬるいぞ」
私
「あそ。レンジはそこ」
夫
「え?」
私
「何か?
好みの温度じゃなければ
温め直せば?
ボタン1つも押せないの?」
こんな感じ。
夫はそのたびにグッと
言いたいことを
飲み込んでいるような
顔をしていた。
眉間に皴が寄っていたから、気分を
害していたのは確かだと思う。
ただ、私が怒り心頭に達したのは
この時ではない。