我が弟ながら、
あんたにもドン引きよ。
私
「違うから…
あのね、サトル。
モエカさんが私の部屋に、
断りもなく物を置いて、
ほぼ占領されてるの」
サトル
「それが?」
私
「それが?
じゃないでしょう。
あそこは、私の部屋よ」
サトル
「昔はな。
今は違うだろ。
おまえ結婚して、
家を出たんだからさ。
いつまでも自分の部屋とか
言ってるんじゃねえよw」
おまえ呼ばわり!?
姉だよ、私は。
仮にもっていうか、本物の。
不覚にも、
ぽかんとしてしまった。
サトルはモエカを、
サトル「モエカ、
晩飯だってさ」
ダイニングルームへと
連れて行った。
弟は、もうこんなやつ
相手にするな、
とでも言いたそうな
顔だった。
嫁の方も、ふふんと
勝ち誇った顔。
ああ、なんであんなに
嫌な連中なんだろう。
父が倒れたのは、
次の日の朝だった…
体調がいいから
出勤すると言い、
身支度をしている途中に、
いきなり倒れ込んだという。
祖父の時と同じだ。
父方の家系にまつわる
遺伝病が、
本格的に発症した…