文字にすると変だけど、
言葉にできないほど
本当に気持ち悪かったんだ。
夫
「ああ!キヌ子、キヌ子だ!
久しぶりだね。
俺も叫びたいくらい会えて嬉しいよ。
キヌ子も同じ気持ちなんだね」
と、腕に力を込める夫。
勘違いしている夫。
やめろ、キモい。
私
「離して!離せってんだろ!
クッサイ!!」
夫
「ガスも電気も止められて、
金もないから銭湯にも行けなくてさ。
ああ、でもこうしてキヌ子に会えた…」
一人で感動している夫。
頼む、私を巻き込むな。
そこへ私の雄叫びを聞きつけた
母が、何事かと駆けつけた。
母
「リンタロウ君!?
ちょっとなにをしているの!
キヌ子を離してちょうだい」
夫
「ああ、お義母さん。
お義母さんからも
ちゃんと言ってくださいよ。
キヌ子に家に戻るようにって」
私
「なんで私が戻るとでも?
私はあなたと一緒に居たくないの!
わかる!?
愛情なんてこれっぽちも
残っていないの!」
私の言葉を聞いて夫の目が座った。
夫
「あの時は強く言いすぎただけだろ!
それなのに、いつまで経っても
グチグチと…」