モラハラ

我が子の夜泣きに夫が激怒 【11話】

 

文字にすると変だけど、

言葉にできないほど

本当に気持ち悪かったんだ。

 

 

「ああ!キヌ子、キヌ子だ!
 
久しぶりだね。

俺も叫びたいくらい会えて嬉しいよ。
 
キヌ子も同じ気持ちなんだね」

 

 

と、腕に力を込める夫。

勘違いしている夫。

やめろ、キモい。

 

 

「離して!離せってんだろ!
 
クッサイ!!」

 

 

「ガスも電気も止められて、
 
金もないから銭湯にも行けなくてさ。

ああ、でもこうしてキヌ子に会えた…」

 

 

一人で感動している夫。

頼む、私を巻き込むな。

そこへ私の雄叫びを聞きつけた

母が、何事かと駆けつけた。

 

 

「リンタロウ君!?
 
ちょっとなにをしているの!
 
キヌ子を離してちょうだい」

 

 

「ああ、お義母さん。
 
お義母さんからも
 
ちゃんと言ってくださいよ。
 
キヌ子に家に戻るようにって」

 

 

「なんで私が戻るとでも?
 
私はあなたと一緒に居たくないの!

わかる!?
 
愛情なんてこれっぽちも

残っていないの!」

 

 

私の言葉を聞いて夫の目が座った。

 

 

「あの時は強く言いすぎただけだろ!
 
それなのに、いつまで経っても
 
グチグチと…」