モラハラ

我が子の夜泣きに夫が激怒 【10話】

 

「え!なんで?

子供を父なし子にする気か?」

 

 

「あなた、

子供のためになるどころか

害になることしかしていないじゃない。

それで父親ヅラするのは

やめてちょうだい」

 

 

夫はそれで黙りこくったので、

私はそのまま通話を切った。

私は離婚の手続きも

夫に会わずに済ませるつもりだった。

でも…

 

 

「寂しいんだよ!

せめて会って話してくれよ!」

 

 

電話を毎日

かけてくるようになった。

私は適当に聞くフリをして

話を切り上げていたが、

とうとう夫が行動に出た。

私が思う通りに動かないので、

実家に凸して来たのだ。

インターホンが鳴った時、

母は揚げ物をしていたので

私が応対に出た。

モニターを確認しても、

よく顔がわからなかったので、

うっかりドアを開けてしまったのだ。

これが良くなかった。

玄関前に立っていた夫を見て、

【しまった!】と思う間もなく

私に抱き着いてきた。

しばらくぶりに会った夫は

不潔そのものといった感じで

髪は脂ぎっているし、

服もヨレヨレ。なんか臭いし!

私は反射的に、

 

 

「うぼおおおおおお!」

 

 

って変な声を上げてしまった。