モラハラ

我が子の夜泣きに夫が激怒 【3話】

 

 

母は、

 

 

「そんなに早く復帰するの!?

もう少しスミレちゃんと過ごしたり、
 
体を休めた方が後々楽なのよ」

 

 

と心配をしてくれた。

 

 

「俺は仕事、
 
お前は家事と育児」

 

 

と勝手に役割分担を決めて、

家でふんぞり返っている夫に

イラついているよりは、

保育園にスミレを預けて働いた方が、

幾分気も紛れる。

スミレが生まれたときや

保育園の入園の手続きも、

仕事を理由に一切手を付けなかった夫。

私の母が夫と鉢合わせた時、

 

 

「リンタロウ君、男の人には
 
わからないかもしれないけど、
 
産後の体は
 
交通事故に遭って入院するのと
 
同じくらいのダメージで
 
弱っているのよ。

だからキヌ子には休息が必要で、

それにはリンタロウ君の協力が

不可欠なの。もう少し
 
労わることはできないかな?」

 

 

とやんわり苦言を呈してくれたのだが、

夫は

 

 

「お義母さん、
 
キヌ子を甘やかしすぎですよ。
 
これから母親として
 
強くならなきゃいけないのに、
 
そんなことじゃやっていけませんよ」

 

 

と笑って流した。

この夫の言葉に

母は呆れて物が言えない。

だからこそ、頻繁に

私を手伝いに来てくれたから

有り難かった。

丁度、私が職場復帰をする頃、

つまりスミレが3カ月頃。

大多数の赤ちゃんの例に漏れず、

スミレが夜泣きをするようになった。

大抵は私が抱き上げてあやしたり、

夜道を散歩すれば機嫌が直る。

でもその日の私は

疲れ切っていて爆睡していた。