
母は、
母
「そんなに早く復帰するの!?
もう少しスミレちゃんと過ごしたり、
体を休めた方が後々楽なのよ」
と心配をしてくれた。
夫
「俺は仕事、
お前は家事と育児」
と勝手に役割分担を決めて、
家でふんぞり返っている夫に
イラついているよりは、
保育園にスミレを預けて働いた方が、
幾分気も紛れる。
スミレが生まれたときや
保育園の入園の手続きも、
仕事を理由に一切手を付けなかった夫。
私の母が夫と鉢合わせた時、
母
「リンタロウ君、男の人には
わからないかもしれないけど、
産後の体は
交通事故に遭って入院するのと
同じくらいのダメージで
弱っているのよ。
だからキヌ子には休息が必要で、
それにはリンタロウ君の協力が
不可欠なの。もう少し
労わることはできないかな?」
とやんわり苦言を呈してくれたのだが、
夫は
夫
「お義母さん、
キヌ子を甘やかしすぎですよ。
これから母親として
強くならなきゃいけないのに、
そんなことじゃやっていけませんよ」
と笑って流した。
この夫の言葉に
母は呆れて物が言えない。
だからこそ、頻繁に
私を手伝いに来てくれたから
有り難かった。
丁度、私が職場復帰をする頃、
つまりスミレが3カ月頃。
大多数の赤ちゃんの例に漏れず、
スミレが夜泣きをするようになった。
大抵は私が抱き上げてあやしたり、
夜道を散歩すれば機嫌が直る。
でもその日の私は
疲れ切っていて爆睡していた。