夫がこの日に
わざわざ休みを取ったのも、
荷物の受け取りと鍵開けのため。
そして、
荷物と義母を家に入れた後は、
ちゃっかり外出をしているようだ。
私はすぐに夫に抗議の電話を入れた。
私
「仕事から帰ってきたら、
大量の荷物とお母さんが
家に残されていたんだけど、
どういうこと?
あなたはなぜ家にいないの?
今どこなの?」
と、矢継ぎ早に質問をする私。
夫は私の息継ぎのタイミングを
見計らったように
夫
「だってさ、
学会の準備で最近は
母さんの面倒を見る時間が
減っていたじゃないか
だから、
今日の学会が終わってからなら
母さんのために割ける時間が
たっぷりできるって、
父さんに言っておいたんだよ。
明日からはしばらく連休だろ?
父さん達を楽にさせるためにも、
母さんの世話を頼むよ。
あ…俺、明日、
お前の病院に
営業で回る予定があるから、
休みの延長を申し出ておくね。
俺は母さんの弱った姿を
見るのは忍びないから、
しばらく友達の家に世話になるよ。
父さん達がまた母さんを
引き取れるようになったら、帰るね」