私は結婚後、
2年も経たないうちに離婚した。
義母以外の義実家の面々に
辟易したからだ。
その中には、もちろん夫も含まれる。
私は看護師として総合病院で働き、
もうベテランの域になっている。
ありがちではあるが、
仕事に夢中になっているうちに
若い時代が過ぎ去り、
高齢毒女と
陰口を叩かれてもおかしくない
年齢になっていた。
夫との出会いは職場だった。
夫はMRとして
私の勤めている病院に出入りしていた。
すれ違いざまに
なんとなく言葉を交わすうちに
親しくなり、交際が始まった。
お互いに結婚歴がなく、
結婚のチャンスは
最後かもしれないと思い、
入籍まではあっという間だった。
私の両親は他界していたが、
夫は義父母が健在で義姉もまだ
実家暮らしだという。
入籍前に
夫
「これから先、
家族になるから話しておくね。
僕の母は3年くらい前に
転んで足を骨折して以来、
認知症で要介護になっている。
結婚後、サポートを
お願いすることになるかもしれない」
そう伝えられた。
両親の死後、
兄弟姉妹もいなかった私は
天涯孤独を覚悟していた。
結婚して、夫に加えて
新しい家族ができることに
年甲斐もなく浮かれていた私は、
できるだけのことは
しようと思っていたし、
そのように夫と約束もした。
当時の私は、
義父や義姉が義母の介護の中心で、
2人の手が
どうしても回らないときにだけ
ヘルプに入るという認識だった。
しかし私は甘かった。
結婚後にそう思い知らされた。