モラハラ

余命半年と診断されたのは私だと勘違いした夫の末路【15】

 

「真鈴ちゃんにうちに

住んでもらって癒してもらう、

お前は出ていけ!」

 

 

と息巻く。

私がかねてから用意していた

離婚届を渡すと、

アッサリ署名捺印した。

 

 

「さあ、とっとと出ていけよ!」

 

とがなりたてる夫の後ろから、

義母が姿を現し、頭をはたく。

 

 

「ババァ!なんで…」

 

義母

「もともとアタシが

お邪魔してるところに、

アンタが来ただけさね。

しかし、

我が息子ながら情けない…」

 

 

「何がだよ!」

 

 

義母

「もういい。

アンタとは縁を切る。

これまでの所業に愛想が尽きた。

アタシは可愛い娘と二人で暮らす」

 

 

「はぁ!?ババァ、

隠し子でもいたのか?」

 

 

義母

「そんなわけあるかい!

私の娘はトウ子さんだよ」

 

夫には黙っていたのだが、

この半年で夫を見放すと

決意した義母は、

私を養子に迎えてくれたのだ。

 

義母

「トウ子さん、

家主が出ていけと

言っているんだ。

適当に身の回りのものを

まとめてウチにおいで」

 

私は義母に従って、家を出た。

その後の顛末は笑ってしまう。

愛しの真鈴ちゃんは

なんと既婚者だった。