夫
「真鈴ちゃんにうちに
住んでもらって癒してもらう、
お前は出ていけ!」
と息巻く。
私がかねてから用意していた
離婚届を渡すと、
アッサリ署名捺印した。
夫
「さあ、とっとと出ていけよ!」
とがなりたてる夫の後ろから、
義母が姿を現し、頭をはたく。
夫
「ババァ!なんで…」
義母
「もともとアタシが
お邪魔してるところに、
アンタが来ただけさね。
しかし、
我が息子ながら情けない…」
夫
「何がだよ!」
義母
「もういい。
アンタとは縁を切る。
これまでの所業に愛想が尽きた。
アタシは可愛い娘と二人で暮らす」
夫
「はぁ!?ババァ、
隠し子でもいたのか?」
義母
「そんなわけあるかい!
私の娘はトウ子さんだよ」
夫には黙っていたのだが、
この半年で夫を見放すと
決意した義母は、
私を養子に迎えてくれたのだ。
義母
「トウ子さん、
家主が出ていけと
言っているんだ。
適当に身の回りのものを
まとめてウチにおいで」
私は義母に従って、家を出た。
その後の顛末は笑ってしまう。
愛しの真鈴ちゃんは
なんと既婚者だった。