モラハラ

余命半年と診断されたのは私だと勘違いした夫の末路【2】

 

当時の夫は優しく紳士的で、

私の仕事にも

理解を示してくれた。

お互いの年齢のこともあり、

子供については自然に任せて

授かったのなら育てる

授からない場合には

不妊治療まですることはない、

という結論を出していた。

そしてやはり子供を

授かることはなかった。

幸せな結婚生活は早々に

終わりを告げた。

結婚前は思いやりがあるように

見えた夫も、しばらくすると

化けの皮が剥がれ始めてきた。

 

実は夫の頭の中は昭和どころか

明治・大正時代の化石のような

中身だったのだ。

「ごめん。今日は帰りが

遅くなりそうだから、冷凍庫の

作り置きをあっためて食べて」

 

「ふざけるな!

誰のおかげでお前が好きな

仕事ができてると思うんだ?

旦那の世話も碌にできずに、

仕事にかまけてれば

イイってか?

俺に迷惑をかけるなよ」

 

掃除にしろ洗濯にしろ、

少しでも手伝いをお願いすると

「俺が許可してるから、

お前なんかが仕事に出られる。

感謝しろ。家事の手を抜くくらい

なら仕事なんてやめちまえ!」

 

というセリフが飛んでくる。

最初のうちは反論もしたけど、

夫は絶対に折れない。

女房に仕事をさせる男は

【甲斐性なし】

と、昭和までの価値観を

令和の時代になっても

引きずっているのだ。

そのうち私は夫に家事を

頼むことはしなくなった。