モラハラ

余命半年と診断されたのは私だと勘違いした夫の末路【1】

 

私の名前はトウ子。56歳。

バリバリ現役の会社員だ。

夫は61歳。普通の会社員。

17年連れ添った夫の所業に

嫌気がさして、捨ててしまった。

その年齢でまだ17年?

と思われるかもしれないね。

私は大学を卒業後、

出版社に就職し雑誌の

編集部で働いている。

ハードワークではあるが、

自分の性分にあっていたのか

毎日が

充実していてとても楽しい。

出世も同年代の

女性と比べると

トントン拍子と言っていいほど

順調だ。

そんな仕事大好き

人間だったためか、恋愛は

長続きしたことがなかった。

恋人よりも仕事を

優先してしまう。

そして気づけば30代の

終わりが差し迫っていた。

そんな時に出会ったのが夫だ。

5歳年上の夫との出会いは

お見合いだった。

このまま独り身で一生を

終えるのではないかと

心配した両親が、お見合い相手を

探してきたのだ。

これまで敢えて

深く考えることはなかったが、

両親の介護・見送った後のことを

考えると、やはり独りでは

寂しくなるのではないか。

寄り添って暮らせる

相手がほしいと漠然と

思うことはあったのだ。

40を目前にした私は、

焦っていたのかもしれない。

早々に縁談を了承した。