浮気

夫からの誤爆LINEで離婚騒動に…【14話】

 

義父が、

 

義父

「いい加減にしろ!
 
ユキト、キヌ子さんを連れて
 
早くここから逃げるんだ!」

 

と、義母を押さえている。

 

ここは俺に任せて先に行け的な

ヒーローに見えた。

 

「親父、わかった!健闘を祈る!」

 

いつの間にか、あれだけ夫を

バシバシしていた義父と夫は

共闘関係になっていた。

 

帰りの車の中で私たちは

ひとしきり笑い、家に着いた。

家に着いたと思ったら、

夫が車のトランクから

小さなギフトバッグを取り出した。

 

「はい、これ。
 
受け取ってくれるかな」

 

「ありがとう。
 
あ…もしかしてこれって」

 

袋を開けてみると、

モフモフのブランケットと靴下、

それにシルク混の腹巻が入っていた。

 

ご丁寧に、もこもこ靴下には

私の名前が刺繍されている。

間違いなく、私のために

選ばれたプレゼントだった。

 

浮気相手と会っているかも…

と思っていた時間は、夫が

私のためのプレゼントを

吟味してくれていたのだった。

 

夫に対する深い愛情。

そして、どこまでも

私を愛してくれる夫に

我が子を抱かせてあげられない

不甲斐なさ。

 

私はこれまでとは別の涙が

目から溢れてくるのを感じた。