義父の怒りの矛先は
夫だけでなく義母にも向いた。
義実家のそれなりに広い和室では、
いい大人3人が鬼ごっこを披露する始末。
異様としか言いようがない
光景を前に、私はどのように
落とし前を付けさせるべきか
思案していたところ、
義父がエネルギー切れを起こして
大人鬼ごっこは終了。
3人とも息を切らしている。
息を整え終わると、夫が
夫
「こんの…!クソババァ!」
と吐き捨てた。
義母
「え?わ、私?
母親に向かって何を…」
夫
「そうだよ、クソババァ!
許さねぇぞ!」
夫はしっかりと義母の顔を見て、
今度は叫んだ。
夫
「何度でも言ってやるよ!
クソババァ!こうやって毎回
キヌ子にチクチク嫌味を言って
いびってたんだな!?
息子がよそに子供を作って
喜ぶって、どんだけだよ!
クソババアの本性、よ~くわかった」
こめかみに青筋たてて
切れ散らかしている夫。
正直、こんな夫は結婚してから…いや、
知り合ってから初めて見た。
夫
「もちろん、俺はよそで
子供なんか作ってない!
絶対にだ!」
と、私の方にくるりと
振り向いて夫は補足した。
その後の発言に、私は度肝を
抜かれることになる。
夫
「俺は!俺は!
キヌ子とお腹の中の子供を
全力で守るって決めた!」