本当は夫の手を払いのけたかった。
でも、できなかった。
浮気をして自業自得とはいえ、
夫を傷つけたくなかったから。
こんな仕打ちを受けても、
私は夫が大好きだった。同時に、
【夫を解放してあげよう】
という気にもなった。
だから、私は夫に切り出した。
私
「今度、義実家に行こう。
今後のことを私達全員で話し合おう」
…って。
次の休日、私と夫は義実家に向かった。
移動中の車内、私は既に緊張し
吐き気すら感じていた。
離婚話を義両親と夫に
一気に打ち明ける
心積もりだったからだ。
一方の夫は、運転しながらも
助手席に座っている私の様子を
窺っているようだった。
夫の表情からも
緊張しているのが見て取れた。
それどころか、
時折涙目になって慌てて
コンビニの駐車場に車を停めて
休むときもあったくらいだ。
義義実家までは下道で
40分程度なのだが、私達は
一切会話をしなかった。
非常に長く感じた。
実家に到着すると、慌てて
義父母が飛び出してきた。
義母
「もう、どうしたのよ。
びっくりしたわよ~!
今朝、急に来るって言うから」
と、慌てつつも夫に会えて
嬉しそうな義母。夫は、
夫
「ああ、うん。ちょっとね…」