夫
「キヌ子、どうした!?
そんなに具合が悪いのか?
今日は一緒に病院に行こう!」
どうしたもこうしたも、
お前の浮気のせいじゃー!
と、私は叫びたいのを
必死に抑えた。
私
「大丈夫。
目にゴミが入っただけだから」
そう言っても、夫は
すぐには引いてくれない。
夫
「ストレスかな?誰かに
話した方がいいんじゃないか?
診察ついでに
お医者さんや看護師さんに
聞いてもらったらどうかな?」
…と、しつこい。
私も腹が立って
私
「大丈夫だってば!
いいから早く行きなよ。
遅刻するよ!」
やや語気荒く、
夫のことを追い出すように
出勤させてしまった。
独りになった私は思案した。
このまま夫の浮気に目を
つぶったまま生活を続けるか、
白黒はっきりさせた方がいいのか…。
結論は
「白黒つけないと収まらない」だった。
こうして私は夫の浮気の
さらなる証拠をつかむため、
しばらく夫を泳がせることにした。
まずはスマホのチェック。
暗証番号が変更されているかと
思ったけれど、夫の誕生日という
安直な番号のまま。
拍子抜けしてLINEやメールを
チェックしたけれども、
浮気を匂わせるようなやり取りはない。