浮気

夫からの誤爆LINEで離婚騒動に…【3話】

 

出張から帰って来た夫は、

どこかよそよそしかった。

きっとLINEの誤爆には

気づいているんだろうけど、

夫からはそのことについては

何も言ってこなかった。

 

その代わりに

 

「あ、テーブルに運ぶのは

俺がやるから、

キヌ子はもう座ってて」

 

と言って、

配膳を率先して行ってくれた。

食後も

 

「洗い物は俺がやるから。
 
キヌ子はゆっくり
 
お風呂に入っておいでよ」

 

いつも以上に手伝ってくれる。

ははーん。

これは浮気がバレたので

私のご機嫌を取る作戦なんだろうな…。

 

私は非常に冷めた気分になった。

 

「いい…。私、具合が
 
良くないみたいだからもう寝るね」

 

もう何も考えたくなくて、私は

寝室に引っ込むことにした。

けれど、夫は慌てて

布団の用意をしたり…

と、こっちでも何かと手を出してくる。

 

いつもだったら

【優しいなぁ】とか

【惚れ直したなぁ】

ってなるはずなんだけど、

ゴマすりにしか見えなくて

頭痛までしてきた。

 

結局その日はそのまま眠ってしまった。

翌朝、やはり頭は痛いまま。

朝食の支度を終えて

夫が起きるまで

すこしぼんやりしていると

誤爆LINEのことが脳裏に浮かんできて

スーッと涙が出てきた。

 

タイミングが悪いことに丁度

夫が起きてきたところで、

夫に目撃されてしまった。