モラハラ

離婚を切り出すと馬鹿にしてくる夫【9】

 

「離婚!?

お前が言い出せる身分かよ?

は!碌に稼げない主婦が、

俺と離婚してどうやって

暮らしていくんだ?

 

やれるもんならやってみろよ!

どうせ口だけだろ?ww」

 

私の脳裏にはかつて

私に仕事を辞めてほしいと

頼み込んできた

夫の姿が蘇った。

 

「君が仕事に

熱心なのは知ってる。

これは俺の我儘だ。

だから、一生苦労はさせない。

誓うよ」

 

実際は苦労を

掛けられっぱなしだし、

経済的に縛り付けたかった

だけじゃないか!

 

そう思うと私は一歩も

引く気にはなれなかった。

 

「そこまで言うなら、

確かめてみれば!?

ほら、これに記入したら結果が

嫌でもわかるでしょ!」

 

私は、自分の分を記入した

離婚届を夫に突きつけた。

 

「こんな物を

用意してたのか!?」

 

夫は目を剥いた。

 

「私が口だけって

言うんなら、それに

サインしたらいいじゃない。

 

それとも怖い?

そっか、万が一、

捨てられたらと思うと

怖くてサインできないのね?」

 

敢えて煽っていく私。

 

「は?馬鹿にするなよ!?

ああ、書いてやるよ!!

書けばいいんだろう

書けば!」

 

勢いのままサインし、

印鑑を押した夫。

そのまま義実家に

行ってしまった。