夫
「離婚!?
お前が言い出せる身分かよ?
は!碌に稼げない主婦が、
俺と離婚してどうやって
暮らしていくんだ?
やれるもんならやってみろよ!
どうせ口だけだろ?ww」
私の脳裏にはかつて
私に仕事を辞めてほしいと
頼み込んできた
夫の姿が蘇った。
夫
「君が仕事に
熱心なのは知ってる。
これは俺の我儘だ。
だから、一生苦労はさせない。
誓うよ」
実際は苦労を
掛けられっぱなしだし、
経済的に縛り付けたかった
だけじゃないか!
そう思うと私は一歩も
引く気にはなれなかった。
私
「そこまで言うなら、
確かめてみれば!?
ほら、これに記入したら結果が
嫌でもわかるでしょ!」
私は、自分の分を記入した
離婚届を夫に突きつけた。
夫
「こんな物を
用意してたのか!?」
夫は目を剥いた。
私
「私が口だけって
言うんなら、それに
サインしたらいいじゃない。
それとも怖い?
そっか、万が一、
捨てられたらと思うと
怖くてサインできないのね?」
敢えて煽っていく私。
夫
「は?馬鹿にするなよ!?
ああ、書いてやるよ!!
書けばいいんだろう
書けば!」
勢いのままサインし、
印鑑を押した夫。
そのまま義実家に
行ってしまった。