モラハラ

離婚を切り出すと馬鹿にしてくる夫【6】

 

現に、夫の気分屋的な言動は

徐々に増えてきている。

 

あまりの理不尽さに

私は疲弊し、元々標準よりも

やや軽めだった体重は、

そこから更に

5kgも落ちてしまった。

 

専業主婦なので

自由になるお金も少ない。

子どももいないので、愚痴を

言い合う主婦仲間もいない。

学生時代の友人たちの大半は

まだ独身で仕事をしていて、

相談しにくい。

 

我慢しきれなくなった私は、

夫が飲み会で

家を空けている隙に

実家の両親に電話をした。

 

久しぶりに聞く両親の声に

涙が出そうになった。

 

「キヌ子、何かあったの?」

 

そんな私の様子を声だけで

察したのだろう。

 

優しい母の声に

私は今まで夫や義両親から

された仕打ちを、

事細かに打ち明けた。

 

母はスピーカーに

していたみたいで、

途中から父も話を

聞いてくれたようだった。

私が泣きながら話し終えると、

 

「辛かったね。

これ以上

頑張れないと思ったら、

無理はしなくていいんだ。

 

いつでも家に

帰って来られるように、

父さんと母さんは

準備しておくよ」

 

「まだ20代じゃない。

人生これから長いのよ。

 

やり直しぐらい、

いつでもできるわ」

 

両親が

そう言ってくれた言葉で、

私はだいぶ楽になった。