現に、夫の気分屋的な言動は
徐々に増えてきている。
あまりの理不尽さに
私は疲弊し、元々標準よりも
やや軽めだった体重は、
そこから更に
5kgも落ちてしまった。
専業主婦なので
自由になるお金も少ない。
子どももいないので、愚痴を
言い合う主婦仲間もいない。
学生時代の友人たちの大半は
まだ独身で仕事をしていて、
相談しにくい。
我慢しきれなくなった私は、
夫が飲み会で
家を空けている隙に
実家の両親に電話をした。
久しぶりに聞く両親の声に
涙が出そうになった。
母
「キヌ子、何かあったの?」
そんな私の様子を声だけで
察したのだろう。
優しい母の声に
私は今まで夫や義両親から
された仕打ちを、
事細かに打ち明けた。
母はスピーカーに
していたみたいで、
途中から父も話を
聞いてくれたようだった。
私が泣きながら話し終えると、
父
「辛かったね。
これ以上
頑張れないと思ったら、
無理はしなくていいんだ。
いつでも家に
帰って来られるように、
父さんと母さんは
準備しておくよ」
母
「まだ20代じゃない。
人生これから長いのよ。
やり直しぐらい、
いつでもできるわ」
両親が
そう言ってくれた言葉で、
私はだいぶ楽になった。