モラハラ

離婚を切り出すと馬鹿にしてくる夫【5】

 

それでも、ある日

義両親からいつも以上に

酷い言葉を浴びせられて、

家に戻ってから夫の前で

思わず呟いてしまった。

 

「ケンヤの実家、

もうやだ。行きたくない」

 

これを聞き咎めた夫は、

烈火のごとく怒り出した。

 

「はあ!?俺の両親のどこが

気に食わないんだよ!

お前が専業主婦として

不出来だから

指導してやってるだけだろ!

なんだその言い種は!」

 

「だからって

言っていいことと悪いこと…」

 

「嫁なんだから、俺の両親に

尽くすのは当たり前だ!

これだから専業主婦は

非常識なんだよ!

悔しかったらお前も

働いてみるか?

 

お前みたいなグズ、雇う会社が

あるなんて思えないけどな!」

 

あまりの剣幕に、

私は心ならずも、

 

「ごめんなさい」

 

と謝ってしまった。

 

「身の程を

知るのって大事だぞ」

 

夫は謝罪の言葉を聞くと途端に

気を良くし、

お風呂に入って行った。

 

私はケンヤの希望を汲んで

仕事を辞めた。

本当は辞めたくなかった。

 

でも、もう後の祭りだ。

 

夫や義両親の言う通り、

私の至らないところを

教え導いてくれているのかも

と、いいように解釈してきた。

 

でも、今までの積み重ねや、

さっきのように私に手に

職がないことを嘲笑う姿を

目の当たりにしては、いよいよ

考えを改めなくてはいけない。