この決断を後々
後悔するとは知らずに…。
結婚当初の夫は、
交際期間と変わらずに
優しく紳士的だった。
仕事から帰宅すれば、
夫
「ただいま。ああ、今日も
美味しそうなにおいだね。
いつも美味しい献立を
考えてくれてありがとう」
お風呂からあがれば、
夫
「毎日お風呂掃除
してくれてるんだね。
いつも気持ちよく入れるよ」
晩酌の時には
夫
「このチューハイ、
俺の好みなんだよ。
覚えていてくれて嬉しいな。
キヌ子も一緒に飲まない?
美味しいよ」
こんな感じで常に
感謝の気持ちや気遣いの言葉を
口に出して伝えてくれていた。
私はそれが嬉しくて、
一層居心地のいい家庭に
しようと家事に勤しんだ。
けれど、結婚3カ月を
過ぎた頃から徐々に化けの皮が
剥がれ始めた。
「ありがとう」や
「美味しいよ」と
いった言葉は、めったに
夫の口から聞けなくなった。
その代わりに増えたのが
私に対する罵倒。
例えば、早朝に夫の
スマホの目覚ましアラームが
鳴っていた時。
私
「起きて。
目覚ましが鳴ってるよ」
夫
「ん~。はあ?
まだ7時半じゃねぇか!」