モラハラ

離婚を切り出すと馬鹿にしてくる夫【2】

 

この決断を後々

後悔するとは知らずに…。

 

結婚当初の夫は、

交際期間と変わらずに

優しく紳士的だった。

 

仕事から帰宅すれば、

 

「ただいま。ああ、今日も

美味しそうなにおいだね。

いつも美味しい献立を

考えてくれてありがとう」

 

お風呂からあがれば、

 

「毎日お風呂掃除

してくれてるんだね。

いつも気持ちよく入れるよ」

 

晩酌の時には

 

「このチューハイ、

俺の好みなんだよ。

覚えていてくれて嬉しいな。

キヌ子も一緒に飲まない?

美味しいよ」

 

こんな感じで常に

感謝の気持ちや気遣いの言葉を

口に出して伝えてくれていた。

私はそれが嬉しくて、

一層居心地のいい家庭に

しようと家事に勤しんだ。

 

けれど、結婚3カ月を

過ぎた頃から徐々に化けの皮が

剥がれ始めた。

 

「ありがとう」

「美味しいよ」

いった言葉は、めったに

夫の口から聞けなくなった。

 

その代わりに増えたのが

私に対する罵倒。

例えば、早朝に夫の

スマホの目覚ましアラームが

鳴っていた時。

 

「起きて。

目覚ましが鳴ってるよ」

 

「ん~。はあ?

まだ7時半じゃねぇか!」