私はキヌ子。25歳。
夫との出会いは
大学の図書館だった。
お目当ての本を探すのに夢中に
なっていた私は不注意で
男性とぶつかってしまった。
それが私の夫、ケンヤだった。
私
「あ、ごめんなさい」
夫
「おっと。大丈夫ですか?」
私の不注意にもかかわらず、
ケンヤは私を気遣ってくれた。
その時の私はケンヤに
目が釘付けになっていた。
彼がモデルか、アイドルでは
ないかというくらいの
イケメンだったからだ。
図書館から出ると、
同行していた友人が私の様子を
見てからかってきたが、
ケンヤとサークルが
一緒だという友人に頼み込んで
私も入会させてもらった。
そこから、私はケンヤに
猛アピールしまくりで、
なんとか交際に
漕ぎつくことができた。
大学を卒業した私は
webデザイナー、ケンヤは
総合商社で働き始めた。
入社して1年が過ぎた頃、
私はケンヤから
プロポーズをされた。
私は結婚後も仕事を
続けたかったのだけれども、
夫が、
もちろん、私は受け入れ、
私たちは
めでたく夫婦となった。
夫
「俺、キヌ子には仕事を
辞めて家庭に入ってほしい。
家に帰って来た時に
明かりがついていて、
温かい食事の準備中っていう
家庭に憧れるんだ」
と言ったので、
私は頷いてしまった。