モラハラ

離婚を切り出すと馬鹿にしてくる夫【1】

 

私はキヌ子。25歳。

 

夫との出会いは

大学の図書館だった。

お目当ての本を探すのに夢中に

なっていた私は不注意で

男性とぶつかってしまった。

 

それが私の夫、ケンヤだった。

 

「あ、ごめんなさい」

 

「おっと。大丈夫ですか?」

 

私の不注意にもかかわらず、

ケンヤは私を気遣ってくれた。

 

その時の私はケンヤに

目が釘付けになっていた。

彼がモデルか、アイドルでは

ないかというくらいの

イケメンだったからだ。

 

図書館から出ると、

同行していた友人が私の様子を

見てからかってきたが、

ケンヤとサークルが

一緒だという友人に頼み込んで

私も入会させてもらった。

 

そこから、私はケンヤに

猛アピールしまくりで、

なんとか交際に

漕ぎつくことができた。

 

大学を卒業した私は

webデザイナー、ケンヤは

総合商社で働き始めた。

 

入社して1年が過ぎた頃、

私はケンヤから

プロポーズをされた。

 

私は結婚後も仕事を

続けたかったのだけれども、

夫が、

もちろん、私は受け入れ、

私たちは

めでたく夫婦となった。

 

「俺、キヌ子には仕事を

辞めて家庭に入ってほしい。

家に帰って来た時に

明かりがついていて、

温かい食事の準備中っていう

家庭に憧れるんだ」

 

と言ったので、

私は頷いてしまった。