私
「いいえ、意味は
十分にありました。
お腹、大きいでしょ?
双子の女の子を
授かったのよ」
私が不妊症だという事に
したい、そうに違いない
と決めつけていたいの
は、結局は子供が
授からなかった
せいだろう。
そして。もう一つ。
いま、ショウゴの
隣には、
知らない女性がいる。
恋人か婚約者、あるいは
妻かもしれない。
彼女の前で、子供が
出来ない事を理由に
離婚した前妻に、
実は双子が
宿っているなんて。
意地でも
認めたくないのは、
よく理解できる。
でも、これは
揺るぎない事実だ。
そうこうしている
うちに、今の夫が
戻って来た。
私、近くにいる
ショウゴと女性。
タクヤからすれば、
よく分からない
取り合わせが
目の前にいる。
タクヤ
「キヌ子お待たせ。
こちらの方は?」
私「前の主人。
女性は、私も
知らない方よ」
タクヤ
「ああ…
例の…(笑)」