義母
「私達にとっては、
孫が生まれる以上の
お祝いは無いのよ。
そりゃ、急に生まれる
ものじゃないのは、
よく分かってるわよ。
せめて妊娠の報告だけでも、
早く聞きたいの!!」
義母は平然と話を続けた。
義父もいるところで、
何というデリカシーの
無さだろう。
恥ずかしいやら
気まずいやらで、
もうどうしていいのか
分からなくなった。
ショウゴは相変わらず、
好物を豪快に食べ、
ビールをぐいぐいと
飲んでいる。
私も乾杯の時に、
ごく少量だけどビールを
飲んでしまった。
これでは、今すぐには帰れない。
いや、運転代行を
使ってでも帰宅するべき
だろうか?
いやいや、そんな事を
したら角がたつ。
どうしよう…
悩みに悩んだが、
今日の予定は義実家一泊だった。
まさかこんな話題が
出て来るとは
思いもよらず、
アルコールを口にした事
を後悔したが、
もう遅い…
不愉快な気分を
我慢して、私は予定通り
泊る事にした。