プライドがエベレスト級に
高い義母の性格を考えると
頭を下げるとは行かずとも、
謝罪の言葉が口から
出ただけでも良しとしたい。
置いてきぼりになりがちだった
私は、気分が
ふわふわしていた。
まさか部長に
抜擢されるなんて…。
私
「お義兄さん方、
お義姉さん方、これからは
嫁ではなく、一社員、
部長として会社に
貢献していきます。
改めてよろしく
お願いいたします!」
私は義兄・義姉と
その配偶者たちに頭を下げた。
夫
「そんな~、
俺を見捨てないでくれ~!」
と私に縋りつこうとする夫を、
ヤスノリ
「セイッヤァ!」
とヤスノリさんがブロック。
夫はまたしても
吹っ飛んでいった。
アツコ
「色々急展開で、
キヌ子ちゃんも
ビックリしたね。
私もヤスノリさんも、
新部署のトップは
キヌ子ちゃんだって最初から
決めたかったんだけど、
お義母さんがアキノリ君を嫁の
下にするなってうるさくて。
でも、これで
お義母さんもしばらくは
会社に口出しが
出来なくなるでしょう」
と優しく声を掛けてくれた。
ヤスノリ
「さて、煩い母さんが
いなくなったことだし。
お前ら2人のクビは
確定として、キヌ子ちゃんに
キッチリ落とし前を付けろ」