アツコ
「そうですね、じゃあ、
子どもができない上に
その原因をキヌ子ちゃんに
押し付けていたアキノリさんは
『出来損ない』ですか?」
義母
「そんなわけあるかい!
遅くにできた子、最後に
生まれた末っ子で、
いつまでも母さん母さんって
慕ってくれたこの子が、
出来損ないなわけ
ないだろう!?」
アツコさん
「そうやって
猫可愛がりしてきた結果が
このザマなんです。
あ!
猫可愛がりなんて言ったら、
本当に可愛いミーコに
失礼だった」
名前を呼ばれたと
思ったのだろうか、
ミーコが甘えたように
「ニャ~ン」と鳴く。
虚勢済みのせいか、
オスなのにいつまで経っても
甲高い仔猫のような声だ。
一瞬、空気が緩む。
義母
「猫!?猫と
一緒にするなんて、失礼な!」
気色ばむ義母に、
アツコさんも負けない。
アツコ
「真昼間から女性を
連れ込んで一緒にシャワー。
おまけに会社の資金まで
横領してるだなんて、
ありえないじゃないですか。
ここにいるアキノリ君の
兄弟と、その配偶者ぐらいしか
知らないからまだマシですが、
社外に漏れたらどうなってたと
思うんです!?」
義母
「う…。それは…」
ぐうの音も出ない義母。
アツコさんは止まらない。