夫
「ゴメン、
ごめんなさい!
すみませんでした!」
ココナ
「ごめんなさい!」
ここまで来ても姑根性を
発揮する義母。
義母
「それもこれも、
キヌ子!
あんたの畑が悪いから、
こんなことになったんだよ!
子どもができない
出来損ないの嫁のせいで、
ああ、アキノリ、可哀想に…」
そう言って
夫の元に駆け寄ろうとする
義母を、義父が制止した。
義父
「まだ言うか!
キヌ子ちゃんが悪い!?
そんなワケあるか!
もうお前は口を出すな!」
老いたとはいえ、
たった今衰えざる剛腕を
見せつけた義父の迫力ある
一喝に、義母は口を噤んだ。
代わりに私に声を
掛けてくれたのは、
やっぱりアツコさんだった。
アツコ
「キヌ子ちゃんは
どうしたいの?
ゆっくりでいいから、
言ってごらん」
私
「私、離婚したい、です。
今となっては子どもが
できなくて
良かったと思っています」
私が離婚の意思を口に出すと、
夫はガバッと飛び跳ねた。
夫
「離婚!?冗談じゃないよ、
考え直してくれ!
コイツとは
ただの火遊びだ!」
ココナ
「はあ!?
キヌ子さんより私の方が
いいって言ったくせに!」
夫
「俺は誰だって
よかったんだよ!」