アツコさんは
私の了承を得てバスタオルを
鷲掴みにすると、つっかえ棒を
少しだけずらして
脱衣所に放り込んだ。
夫
「ア、アツコ義姉さん!?」
アツコ
「とにかく!
そのタオルで体拭いて、
大事なところを
隠して出てきな!
女もだよ!」
そこで脱衣所の中は
静かになった。
アツコさんしか
話していないような
感じになってるけど、裏では
義母が滅茶苦茶煩かった。
義母
「アキノリが浮気!?
きっと嫁に
不満があるからでしょ!
出来損ないが、
自分の夫に、私の息子に
恥をかかせて!!」
と夫を庇い、
私を罵倒し続けていた。
その間、義兄や義姉たちが
「夫婦なんだから多少の不満は
あっても、普通は擦り合わせを
するもんだ」
「いきなり他所の女に手を
出すのがおかしい」
と正論で
沈静化させようとするも、
頭に血が上った義母は、
義母
「きぃぃぃぃいいいい!」
とヒートアップするばかり。
聞いちゃいねぇ。
アツコ
「アキノリ君、
そろそろ体も拭けたでしょ?
はよ出てきなさい」
と声を掛け、
つっかえ棒を外す。
逃亡できないように、
ヤスノリさんとアツコさんは
脱衣所前で見張り、
私たちはリビングで
2人の登場を待っていた。
リビングに、
夫、浮気相手の順番で
のろのろと入ってくる。
浮気相手の女は、夫の背中で
顔を隠すようにしていたが、
いつまでもそうしている
わけにはいかない。