脱衣所の扉は
スライド式だったため
私はミーコが飽きて
使わなくなった
キャットタワーの支柱を
つっかえ棒にして、
夫と浮気相手が脱衣所から
出られないようにした。
浴室の夫達は、
私がそんな工作をしているとは
知らず、キャッキャウフフと
楽しそうだった。
やがてチャイムが鳴り、
ヤスノリさん・
アツコさん夫婦だけではなく
義両親、他の義兄・
義姉ファミリーも
乗り込んできた。
アツコ
「キヌ子ちゃん、
不届き者はどこ!?」
この頃になってようやく、
夫と浮気相手は
「何かがおかしい」
と悟ったようだ。
脱衣所の扉を開けようと
必死になっている。
夫
「おい、ヤバいぞ!
とにかく上がろう。
あ、あれ?開かない!
おい、何でだ!?」
パニックになる夫。
浮気相手も、
ココナ
「え?え?
なんで?怖い!
閉じ込められちゃったの!?
嘘でしょ?」
と大慌て。
状況を把握した義家族たちは
一旦夫と浮気相手を放置して
リビングに集合。
話し合いを持つつもりだった。
しかし、
彼らが目にしたものは。
男女1着ずつ分の、
脱ぎ捨てられた衣服だった。
当然、下着類も入っている。
女性物の下着は
所謂「勝負用」と
わかるもので、この場に
未成年を
連れてこなかったことを誰もが
正しいと思ったに違いない。