ひとり残されたユリカ。
可哀想なので縁側から室内に
入れて差し上げた。
義家族たちはユリカを
凝視していたので、さぞかし
居心地が悪かっただろう。
私
「ユリカさん、大丈夫ですよ。
うちの夫は熨斗を付けて
お譲りしますから。
浮気をした上にきちんと避妊も
できない大馬鹿野郎ですけど、
お腹の子どもの父親なのは
変わりないですし。
やっぱり血の繋がった
両親がいるに越したことは
ないじゃないですか。
あ、ここにいるのは
夫の両親と兄妹です。
将来、ユリカさんが家族になる
人達ですから、
今から仲良くしておくことを
おすすめしますね~」
ユリカ
「そんな!
ここトシキさんの実家なの!?」
と呟いていたけど、
私は最後のマシンガントークで
満足してそのまま自分の車に
戻っちゃったから
後はよく知らない(笑)
でも、夫の浮気を知っても
一切庇いたてしなかった実直な
義家族だから、絶対針の
筵だったと思う(笑)ざまぁ(笑)
その後、タツヒロさんとの
離婚の際にお腹の子どもは
タツヒロさんの子だと
食い下がったけど、
タツヒロ
「それでもし
俺の子じゃなかった場合、
どうするんだ?
生まれた後に調べるか?
嫡出否認の手続きになれば、
慰謝料が上乗せになるぞ」
と切り捨てられて諦めたらしい。
私の方も先日、協議離婚が成立。
婚姻期間が短いけれどやはり
浮気相手に子どもができたこと、
しかも不妊治療流ということで
私の精神的な負担が大きかったと
認められて、相場以上に
慰謝料はふんだくれた。
今思うと、元夫との間に
子どもができなかったのは
本当に幸い。
もしかしたら神様が
「そいつの子どもはイカン!」
って計らってくれたのかもって
思ってたりする。
高齢出産になるまでわずかだけど、
それでも時間があるし、
新しいご縁に期待したいところ。
終わり