タツヒロ
「トシキさんは奥様と
離婚されるそうだ。
俺もお前と離婚したい。
お前とトシキさんで再婚でも
何でもするがいい。
俺は他人の子を我が子として
育てるなんてまっぴらだ」
狼狽するばかりのユリカに、
タツヒロさんは現実を突きつける。
ユリカ
「り、離婚!?
どういうこと!?
なんで、どうしてよ?
この子はあなたの子だよ!?」
タツヒロ
「産婦人科に行ったのは
俺じゃなくてトシキさんだったろ?
なんで夫の俺を差し置いて、
トシキさんと行ったんだ?」
ユリカ
「だ、だって、
あなたは忙しくて
時間がなさそうだったじゃない」
段々尻すぼみになる言葉に、
その場の全員が
出まかせだと察しただろう。
タツヒロ
「じゃ、何か?
お前が浮気をしたのも、
浮気相手の子どもを妊娠したのも、
全部俺が
忙しいせいなのか?なあ!」
ユリカ
「そ、そうよ!
寂しくて仕方なかったのよ!
だからあなたが寝てる隙に…」