
さりげなく
「妻の腹の子は俺の子じゃない」
宣言をかましている。
この日のために私が用意した
ドラマチックな演出の下準備とは、
タツヒロさんに
接近することだった。
興信所の結果から得た情報で私は
タツヒロさんのお店に訪問した。
客の少ない時間を狙って
何度か食べに行くと、
自然と顔を覚えてくれた。
そこで私は思い切って夫と
ユリカのことを打ち明けたのだ。
最初は大変ショックを受けていた
タツヒロさんだったけれど、
私の復讐に乗ってくれて
この日に至るというわけだ。
実はタツヒロさんも、
ユリカから妊娠報告をされていた。
けれど、しばらくデリバリー開始の
ためにメニューの改良や
配送スタッフの雇用などで忙しく、
ずっとレス状態。
すぐに浮気を疑って
ユリカを問い質したという。
ユリカ
「だって、あなたがあまりに
疲れているようだったから、
寝てる時に、その、ね?」
と察してちょうだい的な
回答があったという。
まだ若くて体力もある妻を
放っておいて
可哀想なことをしたと、
その時は納得していたそうだ。
でも、私の凸でユリカの嘘が
バレて離婚を決意。