モラハラ

楽しそうに他の女性とエコー写真を見ている夫【11】

 

「トウ子、俺が本当に悪かった。

本当にごめん」

 

涙で潤んだ目でずっと頭を

下げ続けていたけど、

私の心は全く動かなかった。

 

「許すわけないでしょ。

あなたからも、

あのユリカさんからも、

私は慰謝料を

しっかり取って離婚するつもりよ」

 

そう宣言した私に便乗したのは、

さっきのデリバリー担当者。

 

タツヒロ

「あ、自分もトシキさんに

慰謝料を

払ってもらうつもりですから」

 

夫・義家族

「はい?」

 

義兄

「えっと、飲食店のデリバリー

担当の方ですよね?

弟と何の関係が?」

 

パニくる義実家と夫に

私が種明かし。

 

「この方はタツヒロさんです。

私の知り合いで、このメニューを

扱っているお店の

オーナーシェフでもあります」

 

私の紹介に、タツヒロさんは

マスクを外して挨拶をした。

 

義母と義妹が目を剥く。

 

そこにいたのは

ハリウッドスターとまでは

行かないものの、中々にダンディな

男前がいたからだ。

 

タツヒロ

「はじめまして。

ユリカの夫のタツヒロです。

ユリカのことはご存知ですよね、

トシキさん。

あなたの浮気相手です。

 

ここ半年あまり、僕が夜の相手を

できなかった分、トシキさんには

大変お世話になったそうですね?」