義兄
「子どもができた、だと?」
義母
「え?あらあら♪
そうなの?
トウ子ちゃんやったわね♪
おめ…」
義兄
「違う!!
トシキと浮気相手の間に。
だそうだ」
唸るような義兄の言葉に、
義実家の面々は
その場で凍り付いた。
義妹
「え?はぁ?
う、浮気!?」
義兄
「そうだ。
しかも相手は既婚者だと」
私
「はい、そうなんです。
トシキさんには
子どもができましたけど、
母親は私ではありません」
努めて穏やかな笑顔で宣言する私。
夫は「ギギギ」とでも
音がしそうな首の動きで
私の方を振り向いた。
その顔には
「いつから知ってたんだよ!?」
と書いてあった。
実の家族が驚愕の視線を向ける中、
夫はひたすら
夫
「あ、えっと、これは、
深い事情が…」
などと弁明をしようとして、
失敗していた。
義父
「既婚者同士で浮気」
義妹
「しかも相手に
子どもができてる!」
義母
「孫の誕生は待ち望んで
いたけれど、こんな形じゃない」
義兄
「相手も既婚者ということは、
トシキの子どもじゃない
可能性だってあるかも…」
義父
「馬鹿もんが!
そこは今はどうでもいい!
トシキ!お前、何を考えて
こんなことをした!?ああ!?」