アオイの、夫に対する拒絶は
凄まじいものだった。
大泣きしながら夫に罵詈雑言を
浴びせるアオイ。
娘に父親のこういう場面を
見させてしまったことに
私は罪悪感を抱いた。
このリビングはかつて、
親子3人、
時には両親や義両親も交えて
仲睦まじく
楽しい時間を過ごした場所。
それが今では地獄のような場所に
様変わりしてしまった。
私はアオイの隣にすわり
頭を抱き寄せた。
まるで5歳の頃のように
しゃくりあげ、泣きじゃくる
アオイの髪を撫でる。
こうやってしばらくすると、
アオイは落ち着きを取り戻すのだ。
アオイの泣き声が止んだころ、
私は離婚届を
夫に向けて差し出した。
私
「浮気だけなら。
ギャンブルだけなら。
離婚なんて考えなかった。
でも…
アオイの気持ちを踏みにじり、
幸せな未来を邪魔しようと
したことを、私はアオイの
母親として許すことができません。
離婚、しましょう
慰謝料は後で話し合うとして、
アオイのお金だけは
全額返してもらいますからね!」
夫「っ!!は?
急になんだよ。
それに金なんてないからな!!」