モラハラ

働けないと同情を誘い娘から金をせびる夫【9】

 

パートの時間はシフト制だが、

割と従業員同士のやりとりで

変更が割と利く。

私はある日、別のパートさんに

早番と遅番を代わってもらって、

朝、家を出る夫の後をこっそりと

つけてみた。

 

夫は駅前のパチスロ店に

開店前から並んでいた。

夫の浪費が激しかったのは

これのせいで間違いない。

 

ただ、客観的な証拠を

押さえるには、私一人では難しい。

パートとはいえ、私はフルタイムで

仕事をしているからだ。

 

そこで、私は同じ町内に住む

妹に電話をした。

 

「もしもし、お姉ちゃんだけど

ちょっと頼み事があって」

 

「なに?何?楽しいこと?」

 

妹は既に旦那さんに

先立たれており、彼が遺した

不動産で十分な収入を得ている。

 

よって、基本的に日中は

時間がある。そのせいか、

刺激的なことがあると喜ぶのだ。

 

「うちの旦那が、

メンタルクリニックに

行っているって嘘をついて

パチスロに日参してるみたいなの。

申し訳ないけど、

動画や写真に残したりできる?」

 

「任せて!パチスロは

駅前のあそこで合ってる?」

 

「悪いね。お礼は包むから」

 

「お金じゃなくて、

アフターヌーンティーに

付き合ってほしい。

おひとり様だと気後れするから」