ひとりで夕飯を食べていた私は
席も立たずに叫び返す。
私
「このメーカーのシャンプーを
使えって、ワタクシは
アナタ様に指図できません。
お好みのシャンプーを
空のボトルに
詰めて使ってください!」
夫はそれ以上こちらに何か
言ってくることはなかったが、
脱衣所まわりをゴソゴソと
捜索している気配が
伝わって来た。
ちなみに、夫のシャンプーの
ボトルを空にした上で、
私のシャンプーと
トリートメントを
隠したのも私の仕業だ。
しばらくするとシャワーの音も
聞こえてきたので、
無事入浴はできたのだろう。
しかし、すぐに
夫
「あの…
トウ子…さん?
タオルと下着は
どこ…でしょうか?」
とオズオズと聞いてきた。
私
「どのタオルを使え、
とか、このおパンツを
履けだなんて、ワタクシが
あなた様に指図なんて
できるわけが
ないじゃないですか~」
と私は笑って躱しておいた。
さすがに風邪をひかれると
後味が悪いので、タオルを
渡しつつ場所を口頭で説明し、
下着が入っている
タンスに案内した。
夫はホッとした様子で
引き出しを開けたが、
おパンツを引っ張り出すなり、
顔を顰めた。