私
「嘘なんかじゃないわよ。
子供だって生まれているわ。
もう5歳よ」
このように真実を告げたのだが、
元夫の頭のネジは
数本吹っ飛んでいたらしい。
元夫
「じゃあ、その子は
きっと俺の子だよ。
一般的な妊娠期間を越えて
子供が生まれるなんて、
よくあることじゃないか」
と言い出した。
私は2年間も妊娠期間がある
象さんではないのだが。
それとも何か？
私の息子が酒呑童子だとでも？
呆れた言い分をぶちまけて
家に押し入ろうとする元夫。
体重があるだけに女2人では
押し返しきれない。
そこに後ろから声が掛かった。
息子
「ママ？おばあちゃん？
どうしたの？
…う、うわああ！変態だ！！
パパー！助けて！！
ママとおばあちゃんが！大
変！変態が出たよ―！！」
ひょっこりと覗きに来た息子が、
元夫の姿を見るやいなや
驚いて大声をあげながら
現夫を
2階に呼びに行ってしまった。
すぐさま現夫が駆けつけて
私と母を庇い、前に出てくれた。
正直、惚れ直した。
