幸いなことに祖父は頭を
打っておらず、
しばらく歩けない点を除いては
元気だった。
祖父は久しぶりのひ孫に
頬を緩め、私の息子も
一生懸命にひいおじいちゃんに
話しかけていた。
私達は3日間実家に滞在したあと、
家に戻ることにした。
その最終日、玄関先が
騒がしいなと思って覗くと、
母が必死に誰かを
家に入れまいとしている。
母に加勢しようと玄関に移ると、
その「誰か」の正体がわかった。
元夫だ。
ブクブクに太ってカッパヘア。
友人から聞いていた姿より、
なおひどい。
私を見るなり
元夫
「トウ子、ようやく俺と
よりを戻す気になったんだな!
安心しろ、今は嫁が居ないから、
うちに戻ってきても大丈夫だ」
どの口が言うか。
そもそも
「嫁がいない」じゃなくて
「嫁のなり手がない」が
正しいでしょうが。
私
「なんで、私が実家に
いるってわかったのよ!?」