…かといって
飲食店の個室でも周りが
気になるだろうし、お店への
迷惑になりかねないからって
貸してくれたんだ。
会議室を借りて正解だった。
話し合いに参加したのは…
私・夫・リンカ・リンカ夫の
それぞれの両親、
私とリンカ夫の弁護士、
夫とリンカの上司や人事部長、
それにまとめ役の社長や
秘書さんまでいたからね。
夫とリンカは
いい晒し物状態だった(笑)。
私とリンカ夫は配偶者に
離婚と慰謝料、財産分与を
求める旨を伝えた。
リンカは途中からヒートアップ。
リンカ
「おかしいわよ!
テルヒコさんには
こんなBBAじゃなくて
私みたいな美人の方がふさわしいのに。
なんでこんな目にあうのよ!
慰謝料も高すぎ!
払えるわけないじゃない!」
…って
ギャーギャー喚いていたけど、
リンカの母親が比類なき
美しい往復ビンタをかまし
そしてリンカ父も
娘の頭を押さえつけて
リンカ夫に謝罪をさせた。
ご両親揃って私にも
丁寧に頭を下げてくれた。
リンカ夫両親
「こんなことになるくらいなら…」
と呟き、その後は飲み込んだ。
多分だけど
【結婚なんてさせるんじゃなかった】
と、言いたかったんだと思う。
リンカ夫もそうだったけど、
この人たちは
【言うべきではないこと】
【言わない方がいいこと】
をグッと堪えられる
人たちなんだろう。