最初は自分の声だと
気づかなかったみたいだけど、
相手の声でハッとしたらしく、
レコーダーを
取り上げようとしてきた。
私
「無駄よ!これはコピー。
オリジナルは
この家じゃない別の場所に
保管してあるから!」
と叫ぶと、実力行使は諦めた。
ハッタリだったけど、
功を奏して良かった。
ただ、夫は離婚を拒否。
私は家を出て実家に身を寄せた。
別居してから1カ月は
離婚を迫る私と認めない夫で
堂々めぐり。
離婚を切り出した時点で、
私の方は弁護士に依頼し
両親にも全て事情を話した。
埒が明かないので
本人と夫の勤め先にも
内容証明を送った。
あまり大きくない会社で、
社長さんがすごくいい人。
結婚式の仲人も引き受けてくれたんだ。
だからすごく心苦しかったんだけど…
社長
「こちらの監督不行届きで、
申し訳ない。
できる限りの協力をさせてほしい」
って頭を下げられて。
可愛がってきた部下とはいえ、
ただの社員の妻に
頭を下げることになった
社長さんの気持ちを考えると辛かった。
社長さんの「協力」とは、
話し合いをするときに
会社のミーティングルームを
使用させてくれることだった。
夫・私・不倫相手のリンカや
その両親が集まるとなると
誰かの家で話し合いにするにしても
収集がつかなくなりそうで。