夫
「キヌ子は
出来損ないなんかじゃねぇよ!
人を見下して自分を
棚に上げるような奴らの方が
よっぽど出来損ないだ!」
義父
「リュウジ!
お前ってやつは!
その態度はなんだ!!
親に対して偉そうに!!
今まで育ててやったんだぞ?
それを仇で返すのか!?
もう二度と家には来るな!」
夫
「あんた達が親だなんて
こっちから願い下げだ!
そっちこそ、二度と俺らと
関わろうとすんな!
キヌ子に絶対に
連絡するんじゃねぇぞ!」
私は申し訳ない気持ちの方が
強かったけど、
リュウジはどこか
すっきりした顔をしていた。
彼は彼で今まで家族に対して
溜まっていたものが
あったのかもしれない。
それから私たちは
今まで住んでいたところから
あまり離れていないアパートに
引越した。
もちろん義実家には
知らせていない。
そしてこの変化は私たちに
思わぬ結果をもたらした。
女医
「キヌ子さん。
リュウジさん 。
おめでとうございます!」
なんと義実家の呪縛から
解放されて、わずか3カ月で
私は子どもを授かった。