『子どもが産めないなんて女失格』と行く度に言ってくる義両親【11話】

 

身内とはいえ、こうも弟夫婦の

プライバシーを

ひけらかされると

流石に怒りが湧いてくる。

 

その義母の発言に便乗して私に

聞こえるように義父も

こう発言した。

 

義父

「いや~それに比べて

シユウは よく出来た嫁さんを

もらったもんだ」

 

義母

「あなたもね、

たくさんこき

使っていいからね!

 

それでさっさといなくなって

くれれば御の字よ」

 

 

ユカリ

「…そうですか

ふふっ、

よろしくお願いしますね。

キヌ子さん」

 

まだ結婚して5年、

確かに子どもがいても

不思議ではない。

 

しかし、あからさまに

ユカリと比べられて、

私は自分で思っている以上に

弱っていたのだった。

 

「ただいま~ キヌ子?

…っおい!

何かあったのか!?」

 

「ああ、リュウジ?

おかえりなさい!

 

ごめん、今すぐ

ご飯用意するから…」

 

机に突っ伏していた

私を心配してリュウジが

駆け寄ってきたが、

私は気だるい体を

無理やり起こし、

何事も

なかったかのように振舞った。

 

しかし、

リュウジは見逃さなかった。

 

「飯なんかいいって!

それより、どうしたんだよ?

 

…おまっ!泣いてたのか?」

 

「え?あっ…」

 

リュウジの心配する言葉に、

枯れるほど泣いたはずのに

また一つ

大きな雫が目から零れた。