身内とはいえ、こうも弟夫婦の
プライバシーを
ひけらかされると
流石に怒りが湧いてくる。
その義母の発言に便乗して私に
聞こえるように義父も
こう発言した。
義父
「いや~それに比べて
シユウは よく出来た嫁さんを
もらったもんだ」
義母
「あなたもね、
たくさんこき
使っていいからね!
それでさっさといなくなって
くれれば御の字よ」
ユカリ
「…そうですか
ふふっ、
よろしくお願いしますね。
キヌ子さん」
まだ結婚して5年、
確かに子どもがいても
不思議ではない。
しかし、あからさまに
ユカリと比べられて、
私は自分で思っている以上に
弱っていたのだった。
夫
「ただいま~ キヌ子?
…っおい!
何かあったのか!?」
私
「ああ、リュウジ?
おかえりなさい!
ごめん、今すぐ
ご飯用意するから…」
机に突っ伏していた
私を心配してリュウジが
駆け寄ってきたが、
私は気だるい体を
無理やり起こし、
何事も
なかったかのように振舞った。
しかし、
リュウジは見逃さなかった。
夫
「飯なんかいいって!
それより、どうしたんだよ?
…おまっ!泣いてたのか?」
私
「え?あっ…」
リュウジの心配する言葉に、
枯れるほど泣いたはずのに
また一つ
大きな雫が目から零れた。