『子どもが産めないなんて女失格』と行く度に言ってくる義両親【7話】

 

安堵感が顔に現れていたのか、

車で自宅に向かっている途中、

神妙な顔でリュウジは

私にこう尋ねた。

 

「なぁ、キヌ子…?」

 

「何?」

 

「お前、お袋たちに

何か言われてないか?」

 

「えっ…と、

う…うん、大丈夫だよ!」

 

「そうか…

ならいいんだけど」

 

「なんで

そんなこと聞くの?」

 

「どことなく

元気ないように見えてさ…

まぁ、何かあったら

すぐ言ってくれよな!」

 

「うん、ありがとう」

 

「実家の手伝いだってそんな

頻繁に行く必要はないんだぞ?

兄貴もいるし、親父もお袋も

歳とはいえ

動けないわけじゃないし…」

 

「っいいの、私が

手伝いたいだけだから…さ」

 

リュウジは

こう言ってくれたが、

私はリュウジと義実家の間に

溝ができてしまうのが怖くて、

どうしても

事実を言い出せなかった。

 

『義実家に呼び出される嫁』

ではなく、

『自分から進んで

義実家に顔を出す嫁』

それがリュウジの前で

装っていた私の姿だった。

 

そして、義母の孫の顔見せろ

攻撃はずっと続いていた。