『子どもが産めないなんて女失格』と行く度に言ってくる義両親【1話】

 

私はキヌ子。25歳。

 

パートをしながら主婦として

旦那と共に家庭を支えている。

 

「また来た…」

 

着信画面に表示される

人物にため息をつく。

 

今でこそだいぶ図太くなったと

思うが、少し前までの私は

精神的にか弱い乙女だった。

 

『病は気から』

という言葉がある。

我ながら少し前の私に

ぴったりな言葉だ。

 

話は遡ること7年前。

 

当時通っていた大学の

サークルでのちに夫になる人と

出会い、彼と付き合った。

 

名前はリュウジ。

 

私と同い年だったこともあり、

意気投合して付き合うまでは

そう長くはなかった。

 

リュウジ

「キヌ子ちゃん!

サークル終わったら

この後遊ばない?」

 

「うん! いいわよ!

どこか行きたいところある?」

 

リュウジ

「実は特に決めてなく(笑)

キヌ子ちゃんといると

何してても楽しいから、

行きたいところに

ついていくよ!(笑)」

 

「予定もなく誘ったの~?

まあいいわ!

丁度欲しい洋服が

あったから その買い物に

付き合ってくれる?」

 

リュウジ

「もちろん!」

 

よく言えばフットワークが

軽い、悪く言えばただ軽い男、

そんな人だった。

 

私たちは大学を卒業し、

卒業後も仕事の合間を縫って

デートを重ねた。