モラハラ

モラハラ夫にとあるものまねを披露してみた… 【13話】

 

ジュリの住所や生活パターンも

興信所の調査で掴んでいたから、

楽勝だった。

ジュリの陥落は早かった。

興信所から入手した証拠を見せると、

言い逃れはできないと観念し、

慰謝料の支払いにも同意した。

少しだけ慰謝料を

減額してあげる代わりに、

当日のやり取りの詳細を

教えてもらったのだ。

これが「もう一段階の準備」というわけ。

 

 

「とりあえず、これを書いて」

 

 

と、夫に離婚届を差し出した。

そして有無を言わさず

書かせることに成功した。

 

 

「慰謝料や財産分与については

後日、弁護士を通じて

改めて内容を詰めましょう。

あ、お漏らしは自分で始末してね」

 

 

と言い捨てて、

私は身の回りのものをまとめて

新居へと移動した。

すぐに生活できるように

しておいて良かった。

さて、夫の生活は

どれだけ持つのだろう?

私の収入なしで

どれだけ持ちこたえられるか、

見せてもらおうか。

夫のお気楽さ加減は、

慰謝料を決める際にも

私に有利に働いた。