ジュリの住所や生活パターンも
興信所の調査で掴んでいたから、
楽勝だった。
ジュリの陥落は早かった。
興信所から入手した証拠を見せると、
言い逃れはできないと観念し、
慰謝料の支払いにも同意した。
少しだけ慰謝料を
減額してあげる代わりに、
当日のやり取りの詳細を
教えてもらったのだ。
これが「もう一段階の準備」というわけ。
私
「とりあえず、これを書いて」
と、夫に離婚届を差し出した。
そして有無を言わさず
書かせることに成功した。
私
「慰謝料や財産分与については
後日、弁護士を通じて
改めて内容を詰めましょう。
あ、お漏らしは自分で始末してね」
と言い捨てて、
私は身の回りのものをまとめて
新居へと移動した。
すぐに生活できるように
しておいて良かった。
さて、夫の生活は
どれだけ持つのだろう?
私の収入なしで
どれだけ持ちこたえられるか、
見せてもらおうか。
夫のお気楽さ加減は、
慰謝料を決める際にも
私に有利に働いた。