私は、夫に自分の収入について
教えるつもりはなかった。
男性は仕事や収入への
プライドが高い傾向にあるというが、
夫ももれなくその通りだったからだ。
趣味の延長でかなりの金額を
私が稼いでいると知ったら、
毎日あくせく働いている夫が
どう思うのか…。
関係が壊れてしまうのでは、
と怖かったのだ。
そんなだから、夫は私のことを
【趣味に没頭する専業主婦】
だと思い込んでいた。
収入があるとしても、せいぜい
アフィリエイトで発生する
お小遣い程度のものだと捉えていた。
私も自分で負担する生活費以外は、
いずれ購入する
マイホーム資金のためにと
貯金をしており、
贅沢はしていなかった。
家のことや親戚づきあいも
きちんとこなしてきたと自負している。
ところが、ある時を境に
夫の態度が変わっていった。
ことあるごとに
夫
「専業主婦様はお気楽でいいよな!
碌な稼ぎもないくせに」
【少し手伝って】と言えば、
夫
「誰のおかげで
生活できてると思ってるんだ!
稼げないなら家事くらい
完璧にこなすのが当然だろ」
という風に、
当たりがきつくなってきた。
何度、私の収入を
夫にぶちまけてやろうかと
思ったことか…。
でも踏みとどまってた。
小説の投稿を始めた頃、
閲覧数が上がったり、
感想欄に読者からの
コメントがついたときに
一緒に喜んでくれた
思い出があったから…。
スランプになりそうな時に、
精神的に支えてくれた
記憶があったから…。