私
「そうですね。
帰ったら、思い切って
切り出そうと思います」
そう言ったら、
夫が通話をとうとう切った。
義母は前々から、
夫の私に対する態度が
気になっていたらしい。
それとなく夫の素行を
聞かれたことが何度かあって、
私もそれには
正直に答えていたんだ。
だから、義母は
お灸を据えないと、
と思って今回決行したらしい。
夫は、仕事から帰宅するなり、
イオリ
「今朝は悪かった!
言い過ぎた。頼むから、
その…
アレは出さないでくれるよな?」
と下手に出てきた。
私「アレ?アレ?
…ああ、アレってコレのこと?」
と私の氏名と生年月日だけ
記入した緑の紙を
夫にペロンと見せた。
顔面蒼白になった夫は、
イオリ
「ごめん。俺、
仕事をして稼いでいればいいと
ばかり思ってて、
トウ子に任せっぱなしにしてた。
トウ子のおかげで仕事に
専念できることや、
子供たちは俺の子でもあることを
失念していた。
悪かった」
と頭を下げた。
まあ、これだけで
私のFポイントは
そこそこ減少はしたのだけど、
ここで許すと
また繰り返しそうだから、
心を鬼にした。
…ように見えるように
演技した(笑)