私
「いいたいことはそれだけ?
じゃ、切るから」
と通話を切ろうとすると、
義母が私の手を止めた。
そしてそのまま話始める。
義母
「トウ子さん、
ごめんなさいね。
朝っぱらからくだらない電話で
あなたを煩わせて。
我が子ながら恥ずかしくて
申し訳ないわ」
なるほど。
通話を切ったように装って、
私と義母の会話を
夫に聴かせる作戦らしい。
義母
「たかだか1回の
お弁当がないくらいで、
あんなに
ピーピーギャーギャー
わめいちゃって
みっともないったら…」
イオリ
「か、母さん!?
おいトウ子、トウ子!
聞こえてるのか?
母さんがそばにいるのか?」
と驚く夫。
義母はパニック状態の夫は
無視して続ける。
義母
「こんな
ちっさい器の息子に、
トウ子さんはもったいないわね。
本当に恥ずかしいわ…
ごめんなさいね。
トウ子さん?
仕事をしていればそれでOKだと
思い込んで家事も育児も一切
自分からはやろうとしない
うちのイオリと一緒に
いなくちゃいけない
理由ってあるのかしら?」