モラハラ

私にいきなり点数をつけ始めた夫… 【13話】

 

コウキ

「もっと、こう、何かないのか?
 
未練とか、泣きつくとか…?」

 

 

往生際の悪さに、

私も淡々とした態度を保つのが

難しくなってきた。

 

 

「何を今更。
 
あなたになんで
 
縋りつかなきゃいけないのよ!

確かにあなたよりは

収入が少ないけれど、
 
1人暮らしをするには十分だし

家事全般も自分でできるから

問題ないの。
 
離婚して一人になったら、
 
困るのは私じゃなくて、ア・ン・タ!」

 

 

私から初めて「アンタ」

呼ばわりされた夫は目を白黒。

 

 

「経済状況も家事も、
 
私一人でも問題ないわけ!
 
それを一緒に暮らして
 
アンタの分まで家事をやっていたのは

夫婦として生涯を誓い合ったから!
 
アンタは私のその気持ちに
 
点数を付けるなんて
 
ゲスなことをしたんだからね!」

 

 

だが夫はどうしても

離婚が嫌だったのだろう。

最後の抵抗を試みた。

 

 

コウキ

「だけど、先輩は
 
これで上手く行ったって…」

 

 

無駄な抵抗である。

私はバッサリと切り捨てる。

 

 

「そう思ってるのは

その先輩だけだから。
 
奥様、私と同じように

離婚の準備を進めてるって、
 
この前言っていたもの」

 

 

ギョッと目を剥く夫。

 

 

コウキ

「そんなわけないだろ?
 
大体、なんでキヌ子が
 
先輩の奥さんの状況を

知ってるんだよ!?」